労働者による労務の提供がなされない場合、労務の対価である賃金も支払われないという原則のこと。
使用者の責に帰すべき事由によるものでないことが条件となる。
たとえば経営状態の悪化による操業停止などを原因として、労働者に自宅待機を命じるなどといったケースの場合、通常と同じ賃金を支払う義務がある。
ノーワーク・ノーペイの原則が多く取り上げられる場面としてストライキ時がある。
ストライキにより、労務の提供を停止した場合、労働者は労務の提供が行われなかった時間の賃金の請求権を持たないことになる。
ストライキ時の、ノーワーク・ノーペイの原則に基づく賃金カットについては、基本給のほか、家族手当や住宅手当等の支払いについても問題となる。
判例では、賃金カットの範囲として、労働協約等の定めや、労働慣行の趣旨に照らし個別的に判断するのが相当とされている。